合唱伴奏法

【前奏のポリフォニーが弾ける!編】2020年Nコン中学生の部課題曲「足跡」ピアノ伴奏徹底解説

2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、前奏部分(初めから5小節目まで)を解説していきます。(混声3部合唱編曲を使用して解説しています)

前奏は歌もなく、ピアノパートの独壇場です!

美しく弾いて、冒頭から聴衆を心をガッチリつかみましょう!

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実演付きの解説動画はこちら!

この記事と併せて参考にしてみてくださいね!

前奏のポイントこれだけ!

①テンポ、音楽用語、強弱を解釈する
②それぞれの声部の抑揚を確認する
③声部のバランスを整える
④スパイスとして音のぶつかりを強調する
⑤その他の細かいこと

たった5小節ですが、奥深い5小節です!丁寧に見ていきましょう!

(それぞれのポイントで内容が重複している時もありますが、丁寧に取り組んでいく為に大切なことを何度も言っていると思って聞いてやってくださいませ。)

①テンポ、音楽用語、強弱を解釈する


まずは曲冒頭の音楽用語を確認します。「Andantino e con spirito」とありますが、どのくらいのテンポでしょうか。

それぞれ分解すると

Andantino アンダンテよりやや早く
e     そして
con spirito 元気に、活気をつけて

となります。

アンダンテは「歩くくらいの速さ」とよく言われますが、それよりも速く(早歩き?)、さらに「生き生きと」とまで指示されているので、よっぽど後ろ向きにしてほしくないという作曲・編曲者の意図を感じます。

テンポは4分音符=84なので、弾いてみるとわかる通り、なかなか前向きなテンポです。味わって弾けるようになるにはテンポに対する慣れが必要です。

強弱は冒頭5小節間ずっとピアノです。

しかし、その後の練習番号Aよりも存在感のあるピアノにしてください!!

ピアノを「弱々しい」ではなく、「透明感がある」や「繊細な」というキャラクターだとイメージすると良いと思います。

【参考サイト】♪音楽用語辞典♪
https://www.music-tel.com/ez2/g2/index.html

②それぞれの声部の抑揚を確認する

ポリフォニーを美しく演奏するには
声部の「横のつながり」と「縦のバランス」を研究することが非常に重要です。
声部の「横のつながり」を意識すると、それぞれの声部に抑揚が生まれます。

ピアニストは最大4声部を一人で弾くので、3人、4人分の旋律を同時に歌わせることになりますので、とても高度な技術かもしれませんね。

しかし、ゆっくりと整理していけば大丈夫です。



初めの3小節は3声、その後は4声になっています。
(例えば3小節目は4声に見えますが、ここでの低声部の表記の仕方は一つの声部と解釈します。)
どのような旋律になっているか、何度も味わって弾いて確認していきます。
具体的なニュアンスは動画でも確認してみてください。

練習方法
一つの声部ずつ分解して練習する
・スラーの終わりは丁寧(控えめ)に弾く
・強弱の変化をどの声部で行うか考える

③声部のバランスを整える

それぞれの声部の抑揚が定まったら、どの声部を「大きめに弾き」、どこを「控えるか」を考えます。

基本的に一番上の声部が一番よく聞こえるようにして、それ以外の声部は一番上を邪魔しないように弾きます。

小節ごとににわけて考えていきます。
1、3小節目一番上と真ん中の声部の掛け合いになっています。
一番上の声部の2分音符を聞きながら、真ん中の声部を弾くと良いです。

2小節目旋律のニュアンスを維持するのが特に難しい小節です。
それぞれの声部が損なわれないような指使いを考えると良いでしょう。
クレシェンド、ディミニュエンドは左手の声部についていると考えると良いと思います。
それ以外の声部はスラーの終わりに合わせて、フレーズを丁寧に終わらせましょう。

4、5小節目は、3つの和音をつなげるため、和音の構成音が旋律的に演奏されます。和音の響きを補うようなやわらかい音色で弾くとよいです。

練習方法!
・地道に一つずつ声部を増やしていく
・一番大事な声部は常に聞き続ける
(その音が聞こえる程度の音量で他の声部を弾く)
・自分にあった指使いを研究する

④スパイスとして音のぶつかりを強調する

さらに音楽的に美しくするには、クリアなだけではなく音のぶつかり、つまり「にごり」を意識すると良いです。
主旋律以外のちょっとした音を強調して弾くことで音のぶつかりを明確に示します。

不協和音程は得てして、葛藤や心の痛みのようなものを表していたりします。
より大人な内面的な演奏になります。
例えば2小節目の1拍目はうえからシとラ、そしてラとソが2度でぶつかっています。また、3拍目は右手のレと左手のド#がぶつかっていますね。

このような「2度」のぶつかりを探して意識的に強調して弾きましょう。

強調するだけだと、でこぼこした音楽になってしまいます。

クリアな協和音に解決する瞬間までしっかり聞いて処理して丁寧な演奏を目指してください。

練習方法!
・不協和音程を見極め、あえてぶつけるように弾く
・ぶつけた後は解決する瞬間まで聞き届ける。

⑤その他の細かいこと

〇ペダルについて始め3小節は長く踏むとすぐ濁ってしまうので、和音のタイミングに響きを増やすためにつかったり、音をつなげるためにワンポイントで踏むのがいいと思います。

あえて濁らせるというテクニックもありますが、僕のイメージは繊細でクリアな前奏なので、あまり踏みたくありません。
4.5小節は2拍ごとに一つのペダルでいいと思います。

〇前奏のおわりについて5小節目は音楽をおさめるためにリタルダンドしたくなりますが、指揮者や合唱に迷惑をかけることになります!
テンポは変えずに、丁寧に終わらせましょう。

〇練習番号Aへの入り方練習番号Aが始まる瞬間は迷いなく合唱と合わせたいです。
ピアノをならすタイミングは「だれかに」の「だ」の「ア母音」が発音される瞬間です!
D子音に合わせると、ピアノが先走ったように聞こえるので、ア母音に集中して狙いましょう。


いかがでしたでしょうか?

これで前奏のピアノソロパートは、ぐっと魅力的になると思います。
ぜひ実践してみてくださいね!

次回記事では、練習番号Aの解説しています。
是非、参考にしてみてくださいね。

それでは、またお会いしましょう!

牛武奏人

次回記事:【練習番号A編】2020年Nコン中学生の部課題曲「足跡」

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