合唱伴奏法

【練習番号A編】2020年Nコン中学生の部課題曲「足跡」ピアノ伴奏徹底解説


2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、練習番号Aを解説していきます。(混声3部合唱編曲を使用して解説しています)

練習番号Aは前奏やサビに比べると弾き易いですが、より伴奏者の心遣いや配慮が見える部分になります。
ポイントを押さえて練習しましょう!

楽譜がまだお手元にない方は、
【混声三部合唱】はこちら(アマゾン)
【女性三部合唱】はこちら(アマゾン)
から購入できます♪

【解説動画】前編

【解説動画】後編


では、解説していきましょう♪

ポイントはこれだけ!

①右手の分散和音をスラーにする
②9小節目の右手の指使いを考える
③臨時記号や音のぶつかりを効果的に聴かせる
④練習番号B直前の16分音符
⑤ベースの弾き方
⑥その他の細かいこと

(それぞれのポイントで内容が重複しているかも。悪しからず。)

①右手の分散和音をスラーにする

こちらの記事で確認した通り、多くの合唱曲伴奏では
和音の弾き方で音楽の雰囲気が大きく変えられます!


楽譜を見ると、練習番号Aでは「p(ピアノ)」で「レガート(スラー)」な和音の弾き方が求められていることがわかります。

それぞれ、「p」は、
①ゆっくり鍵盤を押す
②鍵盤を押すのに関わる関節が「柔らかくなっている」とイメージして弾く

ことを意識し、「レガート」は、音が切り替わるぎりぎりまで音を聞くことを意識して取り組んでいきましょう。

また和音の演奏を楽にするために重要な発想は
腕全体のポジションを考えることが大切になります。
自分の体や感覚に意識を持ちながら、和音が「切り替わる部分」をよく練習しましょう。

多くの方は、和音そのものの練習をしますが、和音から次の和音にうつる練習は盲点であることが多いのです。

②9小節目の右手の指使いを考える

9小節目の右手は音が複雑です。
さらに前述した「p」や「レガート」も同時に解決するには、自分にとって合理的な指使いを決めてしまうのが良いと思います。

例えば、僕はこのような指で弾いています。

(245)1(245)1(234)1 休符(124)5|(234)


まずは、ゆーーーーーーっくり練習してみて、それぞれの部分が滑らかにつながるように練習します。
また、10小節目の1拍目は「どんな」の「な」のア母音に合わせます。N子音をよく聞いて合わせましょう。

③臨時記号や音のぶつかりを効果的に聴かせる

練習番号Aでは、独特のエモさがあります。

その正体は臨時記号や音のぶつかりによるものかもしれません。


例えば、7小節目のシ♭や11小節目左手のラ#など臨時記号がついている和音は、作曲・編曲者のこだわりポイントです。
しっかり汲み取ってあげて、より気持ちを込めて印象的に弾きましょう。

また、音のぶつかりもおしゃれさを醸し出しています。
これを専門的には「テンションコード」と言ったりします。

何と何の音がぶつかっているのかを練習の段階で把握しておくことが大切です。
ぶつかっている音を担当している指をすこし意識しながら弾くイメージです。

④練習番号B直前の16分音符

13小節目の3.4拍目の16分音符は練習番号AとBをつなぐ役割をしています。ドラムのフィルイン(オカズ)と同じですね。

練習番号Bに自然につなげられるよう、テンポは動かさずにさりげなく弾きたいです。

僕は5212(左)124(右)の指で弾いています。

音が細かくなったことで焦り、テンポが速くなってしまうことが予想されます。落ち着いて、次の小節頭の「つづいてく」の「つ」に1拍目の和音をあわせよう!と狙いながら16分音符を弾けるとばっちりタイミングがそろいます。

⑤ベースの弾き方

「①右手の分散和音をスラーにする」で右手はレガートであることを確認しました。一方、左手にはスラーはありません。
左手はむしろ、ノンレガートがよいかなと思います。
そのため、右手の弾き方につられることなく、左は左の音色で演奏したいです。

僕は右手の柔らかな音と対比的に、少し固めで存在感のあるベースを意識して弾きます。左手の関節はふわふわではなく、弾力を持って弾くと芯のある音になります。

右手は合唱の音域とかぶってしまうので不用心に音量をだすと歌の邪魔になりますが、左手は気持ち大きめでも、合唱の邪魔にならず、むしろ響きが豊かになりますよ!

⑥その他の細かいこと

僕の場合、練習番号Aのペダルは右手の柔らかい音を演出するために使います。

例えば、9小節目と11小節目は1拍ごとですが、それ以外は2拍ごとに踏み替えるので大丈夫です。

注意が必要なのは、左手の4拍目に16分音符の経過音があるとき。
音階上の音の並びでペダルを踏みっぱなしにすると、すぐ音が濁るので、その瞬間は足をあげておきましょう。

以上、2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、練習番号Aの解説でした。
いかがでしたでしょうか?
少し高度な要求もあったかもしれません。また、文章では伝わり辛いところもあると思います。実演動画も公開しておりますので、参考にしていただければ嬉しいです。

【実演フル動画】

それでは、また次の解説でお会いしましょう。


牛武奏人

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です