【練習番号J編】2020年Nコン中学生の部課題曲「足跡」ピアノ伴奏完全解説

2020年4月13日 投稿者: usitakekanato 0

こんにちは、牛武です。

2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、練習番号Jを解説していきます。(混声3部合唱編曲を使用して解説しています)
このブログでは、25年近くピアノや室内楽、伴奏を学んできたピアニストの僕がピアノ演奏のノウハウをお伝えします。


「どのように譜読みしたらいいかわからない・・・。」「多少弾けるようになったけど、もっとよくするにはどうすればいいんだろう・・・」という方は是非参考にしてみてください!

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繊細なアカペラパートが終わり、サビが戻ってきたと思ったら畳みかけるようにハ短調に転調します。
いよいよクライマックスが近づいてきました。あと少しです!

それでは早速解説していきます!


ポイントはこれだけ!

①73~75小節を弾きこなす
②80小節の指使い
③フォルテの出し方
④「We believe」の主題

①73~75小節を弾きこなす

練習番号J冒頭の3小節(73~75小節)は難しいと思います。
ロ短調がハ短調になるだけでも難しいのに、伴奏が新しいパターンに変わります。
微妙に中身が違う和音がたくさん出てきますので、よく体に染みついていないと咄嗟に対応できません。
それぞれ丁寧に手の形を覚えていきましょう。

それでは、1小節ごとにくわしく確認していきます。

〜73小節〜

「appassionato」は「情熱的に」などと訳されます。
4小節前に「Con energia」が登場しますが、転調とあいまって、さらに情感豊かな音楽が要求されています。

サビは流れるような伴奏が特徴でしたが、練習番号Jでは決意のあるはっきりとしたリズムの伴奏に変わります。左でしっかりリズムを作り、その間を狙うようにシンコペーションを弾くと良いと思います。

左手に独特なスラーがかかっています。
ベースの音がスラーに含まれていないので、ベースは違う音色が求められていると考えられます。

音楽が盛り上がっているので、全体の響きを支えるためには、音の粒をはっきりと弾くのがベストです。

72小節の4拍目から73小節の1,2拍目の左手は、跳躍が忙しいですね。
なので、73小節の1拍目の下の「ド」だけ腕の位置を変えるようにして、迷いなく動きましょう。
肩から腕全体をゆっくり動かしてどのくらい脇を広げるかよく確認するといいですよ。

〜74小節〜

伴奏が変化して、シンコペーションのリズムが突然現れます。
この和音、構成音が微妙に変化してて覚えるの大変です。

一度に弾いても覚えられない時は、分解して練習するのがベストです。

4つの和音がありますが、それぞれ5つの音でできています。
1声部ずつ抜き出して、覚え、少しずつ声部を増やしていきましょう。
地道ですが勢いで覚えるよりも、頭が整理されて定着します。

シンコペーションのなかにアクセントとテヌートがあるので区別しましょう。
おそらく最後のテヌートは、合唱のフレーズが一度終わるので、ピアノも一緒に音楽をまとめて次のフレーズに向かうと良いでしょう。

〜75小節〜

右手の16分音符からの和音をつかむのが難しいです。
指遣いを決めて弾くと弾きやすくなります。
難しいのは2拍目から3拍目、そして4拍目の2箇所ありますので、それぞれに指遣いを提案します。

〇2拍目から3拍目はソドミファ123(134)

3の指(ミ)をすばやく2回弾く難しさがあります。同じ音を素早く連打していることを認識するだけでも弾き易さが変わってくると思います。

〇4拍目はシミソラ124(125)

4の指(ソ)から5の指(ラ)の接続が難しいです。4の指(ソ)から和音になるとき、和音が揃いにくいですが、和音の縦をぴったりそろえましょう。

左手の位置も忙しく変わります。
2拍目以外はポジションが変わるはずです。指使いを確認して移動のタイミングを把握しましょう。

5【上に移動】4(21)45【下に移動】(51)【下に移動】2|(51)
となります。

移動しなくていいところは無駄に動かない、
そして移動するときは最短距離で素早く動く!が鉄則です。

〜77小節から〜

練習番号DGの解説を参考にしてください。
音楽が盛り上がっており、伴奏も楽しいですが、四分音符が縦割りにならずちゃんとフレーズになっているか注意して!
78小節の4拍目から79小節への跳躍を感動的に聴かせるためにも、フレーズ感は重要です。

②80小節の指使い

さて、冒頭の3小節(73~75小節)の難関パートを終えて、80小節へ辿り着きました。お疲れ様でした。

80小節は前回の記事で説明した61小節目〜と同じく、拍の頭で左右が切り替わらない方が余計なアクセントがつきにくいでしょう。

とはいっても、ここはラ♭で切り替えてもわりと弾き易いと思います。

ラ♭で左右を交代するときには2,4拍目の右手のラ♭を親指でとることになります。
親指は音量が大きくなりやすいので、でこぼこしないように注意しましょう。

③フォルテの出し方

81小節~83小節がこの曲のクライマックスといってよいでしょう。
ピアノ全体を響かせるようにして豊かに大きな音を出しましょう。

ピアノの音量・音色は「打鍵のスピード」と「打鍵するときの体の状態」を工夫することで変化させられます。打鍵のスピードは速く、体の状態は固めて弾きましょう。固めると言っても金属のようなガチガチな硬さではなく、木のようにしなやかな硬さが好ましいです。

ドラムを鉄パイプで叩いたら、打面が破けますね。
ピアノも同じで、ガチガチに固めて弾くと破壊的な音が出ます。
ドラムを木製のスティックで叩くようなイメージで打鍵しましょう。

ドラムとピアノの違いは、ドラムは叩いた瞬間に打面から離れますが、ピアノはそのまま鍵盤を押さえておかないといけない事です。
音楽が盛り上がっているので打鍵した後も力んでしまいがちですが、打鍵したら脱力して鍵盤を押さえておきましょう。
力んでしまうと、次の準備が遅れてしまいます。

④「We believe」の主題を

82小節、83小節はクライマックスとしてピアノが「We believe… I believe…」の主題を担当します。

歌のロングトーンの背景で、開放感のあるクライマックスを演出しましょう。
ポイントは音域の広さを意識することです。
音域の広さを表現すると空間の広さが感じられ、より音楽に開放感がでてきます。
最高音と最低音を担当する、両手の小指の成分多めでバランスを整理しましょう。

旋律にはアクセントがあるので、打鍵のスピードを速めてしっかり弾きましょう。
右手の小指や4の指などメロディを担当する指は少し意識的に鳴らし、6度のバランスに気を付けましょう。
歌も動きがないのでしっかり弾いても大丈夫です!


いかがでしたでしょうが?

以上、2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、練習番号Jの解説でした。

少し高度な要求もあったかもしれません。また、文章では伝わり辛いところもあると思います。実演動画もあげますので(近日公開予定)、併せて参考にしてみてくださいね。それでは、また次の解説でお会いしましょう。

牛武奏人