
【コロナに負けない!外出自粛を逆手に取ろう!】集中力を持続したい音楽家のための長時間練習のススメ
2020年4月3日こんにちは、牛武奏人です。
新型コロナの感染が拡大し、外出自粛という言葉をニュースでよく見かけるようになりました。
音楽家はもとより練習のためひきこもりですが、せっかくのまとまった時間にできるだけレパートリーを増やしておきたいですよね。
そこで立ちはだかる問題が・・・
「長時間の練習が続かない」
僕は25年近くピアノを学んできました。
忙しいときは複数の本番を掛け持ちしなければならず、長いときは12時間近く練習していました。
そんな僕が実践した長時間練習のための工夫をご紹介します。
音楽を志す皆さんの、練習における時間の使い方の参考になれば幸いです♪
具体的な実践は以下になります。
①スマホや漫画など気が散るものを視界からなくす
②現実逃避したくなったら付箋に書き出す
③現実逃避したくなったら瞑想する
④時間を区切る
⑤回数を決めて練習する
⑥今日行う練習内容を紙に書き出す
それでは、ひとつずつ解説していきましょう。
①スマホや漫画など気が散るものを視界からなくす
集中力をかき乱す代表格がツイッター、ライン、インスタグラムなどのSNSだと思います。
「通知が来るだけでもうだめ」という人もいるかもしれません。
それ以外にも、ふと部屋を見回した時に目に入った漫画に吸い寄せられることもありますね。
単純な方法ですが、練習を阻むと予想されるものは視界に入らないよう別の部屋に置いたり、箱やクローゼットに入れて見えなくするだけでも効果があります。
スマホに関しては玄関やロッカーなど、取りに行くのが面倒くさいと思う場所に置いておくのがベストです。
ちなみに、 僕はスマホを外のポストにぶち込んで練習していました。
これはおすすめではありませんが、それくらいの勢いで、目につかなくて取りに行くのもめんどくさく感じる場所に追いやってしまいましょう!
おすすめ対策その1
「スマホのパスワードをめちゃ長くする」
「いやいや、現代人だから携帯がないと不安になるよ。」
って方は、スマホのパスワードをめちゃくちゃ長くしてみてください。
僕はコンクールなどで自分を追い込む時、ロック解除のパスワードをめちゃくちゃ長くして、ケータイ開くのを面倒くさくさせていました。
例えば、バッハとベートーヴェンの生没年を順番にならべて
1685175017701827
などにすれば、音楽史の勉強にもなるし、入力ミスが増えてなかなかスマホがひらけなくなります!
至って大真面目ですよ!
このちょっとしためんどくささが、衝動に振り回されずにすむコツです。
しかしひとつだけ注意!
パスワードをくれぐれも忘れないように。(経験者は語る。)
おすすめ対策その2
「あえて気になる物を視界に入れる」
あえて視界に入れてみるというのも策の一つです。
つまり、どうせ気が散るなら自分のためになる書籍を手元に置いてみてください。
普段読まないような難しい音楽関係書籍を手元に置いて、練習に疲れたら読む!というのはどうでしょうか。
練習に疲れたから本を読む、でも、本が難しくて読む方が疲れるから練習の方が楽しい!だから練習しよう!となります。
自分の思考を回り込んで作戦勝ちしてやりましょう!こちらにおすすめの難しい本を紹介しておきますね。
おすすめ本:ネイガウス「ピアノ演奏芸術 ある教育者の手記」
②現実逃避したくなったら付箋に書き出す
メンタリスト DaiGoさんは
現実逃避の衝動が湧き上がったら、付箋にそれを書き込んで、デスクに貼り、仕事が終わった時には真っ先にこれをやってやろうと決める。そこまで仕事を頑張った自分へのご褒美にする。
メンタリスト DaiGo「一瞬でYesを引き出す 心理戦略。」ダイヤモンド社、2013年
気を散らせる欲求を、我慢して押さえつけるのではなく、本来するべき仕事のモチベーションを向上させるための目標にしてしまえばいいのです。
と言っています。
例えば、「ツイッターが見たい」と思ったら、付箋に「ツイッターが見たい」と書きます。
そして 衝動に任せず練習に勤しみ、練習が終わった後にご褒美としてTwitterを思う存分楽しみます。
これは実際にやってみましたが、とても効果がありました。おすすめです。
③現実逃避したくなったら瞑想する
今流行りのマインドフルネスです。
これは、もう、確実に効果があります。
「瞑想なんて胡散臭い」と思ったあなた!
損してますよ!
確かにこの横文字に抵抗感を抱く気持ちはわかります。
しかし、僕はマインドフルネスを始めてからというもの、仕事やプライベート、いかなる場面でもストレスを溜め込まなくなりました。
インターネットには無料の良質な記事や動画がたくさんあるので、探してみてください。
おすすめのマインドフルネス初心者向け動画のリンクを貼っておきますね。
④時間を区切る
僕は一日の時間を連続したものとして捉えるのではなく、区切って考えていました。
1日中練習できる!あと8時間も弾ける!
と思うと、なんとなく気が引き締まりません。
だらだら過ごしていたら、今日が終わっていた!なんてことも起こり得ます。
そうならないために僕は、
一日を3つに大きく区切る
区切った時間をさらに細かく区切る
を意識していました。
一日を3つに大きく区切る
1日朝6時に起きて12時に寝るとして、
①6時から12時までを1日目
②12時から18時までを2日目
③18時から24時までを3日目
と6時間区切りで考え、それぞれが普段の一日分の練習量になるように目指していました。
実際に使える時間は同じですが、捉え方によって感じ方が大きく変わってきます。
さらに、これが出来た方は、区切った時間をさらに細かく区切ってみてください。 かと言って6時間をぶっ通しで練習するのも効率が悪いので、
例えば、
15分集中+5分休憩(瞑想)
などメリハリをつけて練習しましょう。
⑤回数を決めて練習する
よく「考えて練習しないとだめだ!」「ただ繰り返す練習なんて意味がない!」という指摘をよく聞きます。
その考えもわかります。
しかし、僕は回数を目標にすることは大賛成です。
目標達成のためには、数字による目標を立てることも時には有効です!
具体的に考えるとよくわかります。
「質の良い練習をする」
「最初から最後までのゆっくり練習を3時間以内に15回する」
どちらが実行しやすいですか?
明らかに後者ですね。
質の良い練習といっても、練習で注意することはたくさんあるので、全てを明確に言語化することは難しく、結局曖昧になりがちです。
手を動かしながら考えるというのも、一つの方法だと思います。
直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN(ダイヤモンド社/2019年)の著者、佐宗邦威さんは、手を動かして考えることをデザイン思考について述べています。
回数をこなすことによって、体のすみずみまで曲を理解できるということもあると思います。
⑥今日行う練習内容を紙に書き出す
僕は毎日、練習を始める前に今日行う練習を紙に書き出しています。
上で述べたように、大きく区切った一日のなかで何をするのかを紙に書き出していました。
例えば、シンプルに、
バッハの組曲…3回
ベートーヴェンのソナタ…2回
ラヴェル…譜読み
など書き出しておくだけでも、何をやらないといけないのかが明確になり、練習の見通しが立ちます。効果は絶大です!
いかがでしたでしょうか。
「時間も忘れるくらい練習が楽しい!」というのが毎日つづくなら最高です。
しかし、人間ですから、いくら好きなことでも、
「どうしても気乗りがしない、けど、練習しないと…。」
という日だってあると思います。
そうした自分を受け止めたうえで、「この方法はどうだろう?」「じゃあこれは?」と新しい練習への取り組み方を試してみてください。
そうやって自分にあった練習の仕方を工夫してみる事で、練習への向き合い方だけでなく、集中力の作り方や、自分の考え方の癖を知ったり、あなたの日常の様々なパフォーマンスにきっといい影響が現れてきます。
音楽との対話はあなただけのスペシャルな時間です。
是非この機会に、音楽との時間を新しく見つめてみてくださいね。
牛武奏人