
【ピアノ奏法講座】良いリズム感で演奏するにはテンポに乗るな!プロが教える3つの対処法!
2020年5月2日授業や音楽レッスンなどでノリの良い曲を取り組んだ時、先生から
「リズムに乗って」とか「キレのあるリズムで」と言われ、
自分ではノリノリのはずなのに・・・
と悩んだりしていませんか?
「リズムに乗る。」とは一体どういうことなのか。
今回は「良いリズム感で演奏する」ための、具体的な奏法を分かりやすく解説していきます。
リズムにのるってどういうこと?
「リズムに乗る」と聞くと、
「テンポ通り、リズム通りに弾こう」と思いますよね。
しかし、テンポに対してジャストタイミングを狙って演奏すると、機械的な演奏になってしまい、かえってノリが悪く聞こえてしまうことがあります。
ジャストタイミングを狙うと、すでにそこにあるテンポに流れをゆだねる「受け身の演奏」になっているのです。
大切なのは、曲のテンポ・ビートを感じつつ、
良いリズムを「作り出して」演奏すること。
積極性に自分からテンポ感を作り出していくことによって、リズムのノリの良さに大きな違いができていきます。
では、「良いリズムを作り出してに演奏する」とは、具体的にどうすればいいのか。
ヒントとなる対処法をいくつかご紹介します。
良いリズム感で演奏するには?
ポイントは以下の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
その1:シンコペーションをはっきり出す
その2:アーティキュレーションを活用する
その3:歯切れのよいタッチにする
その1:シンコペーションをはっきり出す
シンコペーションとは「強拍のズレ」です。
規則正しく続いていくはずの「強拍の位置」が予想よりも早いタイミングにズレることで、聞いている人に浮遊感や疾走感をもたらします。
「シンコペーションをはっきりと演奏する」というのは、「強拍がずれていることを強調して演奏すること」と言い換えられるでしょう。
強拍からずれていることをよりよく表現するには「本来のビート」をよく把握した上で、ビートのズレを印象的に鳴らすのがポイントです。
「だいたいこのくらいだろう」では不十分!
明らかに狙って、気持ち大げさに(早めに)音を打ち込んでみましょう。
音が刻まれている間も伸びている間もビートを感じ続け、ビートとビートの隙間に研ぎ澄まされた集中力で狙い撃ち!といった感覚です。
その2:アーティキュレーションを活用する
アーティキュレーションとは「音の性質の一部を教えてくれる指示」のことです。
具体的にはスタッカートやアクセント、テヌートやスラーなどですね。
このアーティキュレーションという情報は、良いリズム感を生み出すヒントになっていることがあります。
よく分析して、演奏に活用していきましょう。
とはいっても、
良いリズム感にするためにスタッカートやアクセントを使う、とはどういうことでしょうか。
例えば、
スタッカートは「シンコペーションの音」をもっと印象的にするために相対的に軽くしてほしい音につけられることがあります。
また、
アクセントは強拍のズレを明らかにはっきりと演奏にしてほしい音についていたりします。
アーティキュレーションを注意深く分析すると、作曲者の狙いを読み取れるのです。
作曲者の狙いが読み取れると、その音楽に格段にノリやすくなりますよ。
その3:歯切れのよいタッチにする
歯切れのある「良いリズム」に聴かせるには、芯のあるはっきりしたタッチが望ましいです。それは、はきはきとした音の方が、リズムを明確に作り出すことができるからです。
例えば、柔らかい音を想像してみてください。
柔らかい音も魅力的ですが、「リズムを作る」ことには向いていません。
なぜなら、柔らかい音というのは「音の立ち上がりが遅い」からです。
フワフワと弾いていたら、テンポが引き締まらず、タイミングより遅く聴こえ、リズムが停滞してしまいます!
歯切れの良い音を出すためにはその逆で、素早く指先で鍵盤の底をつまみ上げるように打鍵してみましょう。
良いリズムには躍動感や推進力があります。
そのエネルギーは待っていてもなかなか現れません。
また、テンポに振り回されていても難しいです。
大切なのは、自分から意図して良いリズムを作り出すことです。
いかがでしたでしょうか?
以上、良いリズム感で演奏する為の3つの対処法でした。
それでは、また次の解説でお会いしましょう。
牛武奏人