
【練習番号K編】2020年Nコン中学生の部課題曲「足跡」ピアノ伴奏完全解説
2020年4月13日こんにちは、牛武です。
2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、練習番号Kを解説していきます。(混声3部合唱編曲を使用して解説しています)
このブログでは、25年近くピアノや室内楽、伴奏を学んできたピアニストの僕がピアノ演奏のノウハウをお伝えします。
「どのように譜読みしたらいいかわからない・・・。」
「多少弾けるようになったけど、もっとよくするにはどうすればいいんだろう・・・」
という方は是非参考にしてみてください!
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圧巻のクライマックスを経て、終わりにむかって音楽が静かになっていきます。
技術的な難所は乗り越えましたが、最後まで気を抜かずに頑張りましょう!
それでは早速解説していきます!
ポイントはこれだけ!
①楽語の確認
②強弱と音色の変化
③声部の弾き分け
④終わりの2小節
①楽語の確認
まずは楽語の確認から始めましょう。
「rit.」「riten.」は見た目が似ていますが意味が違います。
87小節の「rit.」は「リタルダンド」の省略形で、「だんだん遅く」という意味です。次の小節の「Un poco calmato」に向かって、テンポを緩めます。
一方、91小節の「riten.」は「リテヌート」の省略形で、「ただちに遅く」という意味です。2分音符それぞれにフェルマータがついたような効果が期待できます。違いを押さえておきましょう。
「Un poco calmato」は「少し静かに」という意味です。強弱というより、穏やかな呼吸でゆったりとした気持ちで弾きましょう。また、これはテンポの指示ではなく、雰囲気のための指示です。静かにした結果、テンポが緩んだと解釈しましょう。
最後の「calando」は「だんだん遅くしながら、だんだん小さく」という意味で「rit.」「dim.」の両方の意味を含む用語になります。
②強弱と音色の変化
練習番号Kの始めは、クライマックスのテンションを受け継いで、「ff」に近い音量で始め、徐々に押さえていくのがいいでしょう。
合唱の音域があまり高くないので、調子にのって音量を出すと、掻き消してしまいます。合唱を聞きながら「ff」です!
音量は「ff」から「mf」になって、「p」になり、そして「pp」「ppp」まで音量が小さくなっていきます。
計画的に小さくしていきましょう。
さらに2段階小さくすることを考えると、88小節目の「p」はそこまで小さくなくてもよいのかもしれません。
合唱も「mp」なので、適度に響きの豊かさが必要です。
③声部の弾き分け
88小節からは合唱もピアノもメロディの断片をバトンでつなぎ合うように演奏します。
ピアノ伴奏はメロディも伴奏も担当しているので、明確に弾き分けてバランスを整理しましょう。
伴奏の和音は音の立ち上がりをまろやかにして、柔らかく弾き、メロディを担当している音は少し意識しながら印象的に弾きます。
88小節合唱の「We believe」から旋律を引き継ぐ時、メロディの音量をそろえることにも注意して弾くとより旋律が流れて美しくなりますよ。
④終わりの2小節
いきなり臨時記号が出てきて、少し驚きますよね。
特に左手は黒鍵をたくさん弾きます。
残念ながら、間違えるととても目立ってしまうので、確実に弾けるようにしておきたいです。
そのためにも指使いはきちんと決めて取り組みましょう!
僕は、
521321|(52)
で弾いています。
最後の2分音符2つも気を抜かず、フレーズをつなげましょう。
音が切り替わるギリギリまで自分の音を聞き続け、音が減衰していくのを予測し、減衰の延長になるように「ppp」の和音を弾きましょう。
「ppp」がかすれてしまったり、音が大きくなりすぎたりと、とても緊張すると思います。
”息を吐きながら、鍵盤をただなでるだけ”
くらいの気持ちで弾きましょう。
少なくとも力んでコントロールしようとしても、うまくいかないことが多いです。
いかがでしたでしょうか?
以上、2020年のNHKコンクールの課題曲「足跡」のピアノ伴奏、練習番号Jの解説でした。
少し高度な要求もあったかもしれません。
また、文章では伝わり辛いところもあると思います。実演動画もあげますので(近日公開予定)、併せて参考にしてみてくださいね。
それでは、また次の解説でお会いしましょう。
牛武奏人